日本に帰ってきてタイとの違いを一番感じたのは、今回の旅は家族は大丈夫なの?という問いを日本だとほぼ頂くことだ。まあ別に大丈夫じゃないんだけど(笑)。
でもタイ人はそんなこと聞かない。バンコクからチェンマイまで自転車!?タイはクルマの運転荒いから心配だよ。だけどまあ、もし困ったら連絡して。いつでも迎えに行くから…ってな感じ。
それより下の写真を撮った時の方がよっぽど突っ込まれた。
チアビア(ビールを売りに来る女の子がタイにはいる。この娘はハイネケン)の女の子と写真を撮ったら、オレ奥さんにこの写真を見られたら、絶対殺される!とタイ人。
前回、タイにいた時から思っていたことだけれど、精神性はタイ人の方が日本より上じゃないのかなとよく感じる。資本主義思想が優位だと、金持ちは全てにおいて優れているという評価を与えてしまいがちで、国単位で見るときも、自分の国よりも経済的に発展していないと、精神的・文化的に下に見る傾向があると思う。
僕自身、最初タイに赴任した時にはそう思っていたと思う。ところが7年駐在し、そして今回の自転車旅を通じて感じたことは、彼らの精神性の方がよっぽど優れていて進んだ考えを持っていると思った。
例えばタイには昔からオカマがたくさんいるが、それは最近で言う多様性、人それぞれの生き方・他者を尊重するタイ人の姿勢が体現したものだと思う。いっぽう日本では、多様性を都合のよいように解釈して、社会に合わせられない自分を認めさせる手段・権利のようなものとしてこの言葉を使っている気がしてならないが、本質はそうではないと思う。他者を許容する心だ。宗教的な背景も多分に影響していると思うが、タイにはそういう学びがある。
最近では結婚しても子どもを持たないというカップルが非常に増えているという。タイ人の友達に聞いたら、だって面倒くさいじゃん、自分の人生は自分が死んだらそれで終わりだし、別に次につなげたいとも思わない。僕は僕の人生を楽しく生きられればそれでいいから、子どもを持ってお金や時間を取られたくない、と。
そこまで割り切れるのもすごいけど、確かに子どもがいた方がいいよねってのはステレオタイプ脅威みたいな思い込みかもな、と思った。
そんなんもあり、またバンコクの写真教室を手伝うようご指名も頂いたこともあり、タイとのつながりは今後も続いて行くことになりそうだ。50歳を手前に、50代をどう生きていくかを探すことが今回の旅のサブテーマでもあったが、どうやらそれは「タイ」ということになりそうだ。
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